「絵の見方」【2】青木廣光さん 三人展ギャラリートークより

掲載号 14年07月19日号

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続・直感に賭ける

だからそういう作品を描いている。舟橋さんも大橋さんももちろん私も含めて写生現場で、直感で捉えて描いている絵です。上手下手は関係ないんです。

絵というものは、今さっき言いましたように、観る人が吸い込まれるような絵を描く、仕事をする、それが本物なんです。まだまだ大橋さんも舟橋さんも若いんですから僕より20年若いんだから、これからできるもんだと思います。

私の画家への歩み

私の個人的なことを話しますと、関東軍に召集されて20年に敗戦、即シベリアに抑留、4年間シベリアで抑留されました。生死の線をさまよったし、どういう作業をしたかというとまず炭鉱それから森林伐採、栄養不良でバタバタと死んでいきました。

そういう経験をして4年目に帰ってきましたが、私の父親は船乗りで、日本水産におりまして、図南丸に乗っとったんです。

その図南丸はやっぱり撃沈されましてね、だから他の船に乗って宇品から御用船で兵隊さんを送って台湾にまで行った時に高雄港でグラマンに襲われて戦死したんです。父が45歳の時に亡くなったんです。

私の兄弟があと4人おりましてね、母親が言うのには、これだけ貯金があるからなんとか、中学校ぐらいは出せるだろうと思っておったら、経済封鎖にかかって何にもなくなって、それからタケノコ生活。

(次号へつづく)

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