多才な経済人 弓場敏男さんが個展 独学の書と油絵揃う
掲載号 14年02月22日号
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多才な経済人として知られる弓場敏男土生商船(株)代表取締役会長=写真右=が3月3日(月)~29日(土)、因島田熊町のギャラリー喫茶ブラームス(TEL0845-22-5112、午前10時~午後5時。日曜定休。)で、書と油絵の個展を開く。
およそ30作品が展示される。その全てが独学によるものだという。期間中には弓場さんの幅広い交友関係を反映して、島内外から多くの人が訪れる。
油絵の作品は次の10点。海と船にこだわり、灯台シリーズと銘打っている。
- 「赤い投浮標」
- 「阿伏兎観音崎山頂灯台」
- 「因島大浜埼灯台近景」
- 「因島大浜埼灯台中景」
- 「因島大浜埼灯台遠景」
- 「小佐木島『どっちが灯台か』」
- 「箱崎漁港」(A)
- 「箱崎漁港」(B)
- 「寅丸礁灯台」
- 「因島南中学校通学路」
書も多岐にわたる。なかでも、平家物語の「西海の挽歌」を行書体で書き、4メートルの巻軸に仕立てた作品が目を引くことになろう。
因島土生港には、因の島ガス創業者・故村上重喜さん(雅号・青波)の川柳の石碑がある。揮毫は弓場敏男さんによる。(平成元年盛夏建立)
旺盛な創作意欲
弓場さんは昭和3年10月6日、因島重井町に生まれる。85歳。旧制尾道中学校卒。佐木島のふたつの小学校で代用教員を勤めた後に東洋大学経済学部を卒業。
9年間の東京生活を終え弓場汽船に望まれて就職。
昭和46年、土生商船(株)の代表取締役社長に就任。日本旅客船協会副会長、中国旅客船協会連合会会長など歴任。
現在、土生商船会長、同連合会顧問。その実績が評価され、70歳の時に勳五等双光旭日章を受章。
会社経営のかたわら尾道家庭裁判所民事・家事調停委員。因島青年会議所初代理事長。現在、因島ユネスコ協会理事。
昭和31年3月因島に帰った後、同じ選挙区の宮澤喜一元首相の後援会活動に力を入れ、様々な人たちとの交流を広げた。
書は早くから趣味として始めていた。油絵に本格的に取り組んだのは昨年2月のことである。
今回の個展をきっかけにふたつの展覧会への出品を依頼されている。創作意欲は益々盛んである。
著書に「海を想う」(2006年)がある。