ラガール瀬戸田跡地 駐車場に被爆レンガ ひっそりと10塊並ぶ

掲載号 13年07月06日号

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原爆が広島市に投下されて、まもなく68年を迎えようとしている。しまなみ海道全通1カ月前の1999年4月にオープンした、レストランと土産物の「ラガールせとだ」跡地に被爆レンガ10塊が、ひっそりと並んでいる。

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そのひとつに付けられた銘板に次のように記されている。

「このレンガブロックは1910(明治43)年頃、倉庫として広島市宇品駅のそばにレンガ造りで建てられた一部です。1945(昭和20)年8月6日、原爆による被害(爆心地より約4・6キロメートル)を受けました。1997(平成9)年、道路の建設のため撤去されましたが、このレンガは被爆建物の一部として、後世に平和の尊さを伝えるためモニュメントとして保存するものです。」

被爆レンガを広島市から運送し設置したのは、当時ラガールせとだの経営者であった村井圭一さん。開店時に駐車場側に置いた。

村井さんは、「広島県の瀬戸田町を訪れる全国の人に被爆建物の一部を見てほしかった。また平和教育に役立てばと思った」と述懐する。

しまなみ海道全通記念絵画展のために瀬戸田町を訪れた平山郁夫夫妻が同店で食事した際に、被爆レンガを案内したという。現在の所有者は有限会社アルファー。

同町の地蔵院境内には、平山郁夫さん揮毫(きごう)の原爆慰霊碑がある。原爆60周年にあたる2005年8月、瀬戸田町原爆被爆者之会が建立した。

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