因島水軍城再出発

掲載号 13年02月23日号

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 因島の市制30周年を記念して中庄町の金蓮寺丘に建設した因島水軍城が本丸を水軍資料館として展示品を厳選、再出発する。

 昭和50年後半の日本は経済成長期に入り焼土の中から希望を取り戻そうと各都市のシンボルだった天守閣の復元ブームが起きていた。この近隣都市では広島、福山、今治など鉄筋コンクリート造りの城跡が再現され、ゆかりの遺品が集められ観光拠点が生まれていた。

 そこで、因島も…と声があがり各町が誘致合戦。建設地と地元負担金がダントツだった中庄町の現在地に決まった。観光地の拠点をつくろうというのだからノウハウが必要。白刃の矢を立てたのが村上水軍が落ちのびた周防(山口)大島出身の歴史家、奈良本辰也氏(故人)に依頼した。

 開口一番「海賊は攻撃の目標となる城は造らなかった。しかも中世のことだから館(やかた)と集落を組み合わせ、映画ロケに使えるようにしたら…」とアドバイス。結果は裏腹のものが出来上がったが観光と歴史的背景は大事なことである。

(村上幹郎)

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