掲載号 12年09月08日号

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 島根県沖の竹島や沖縄県尖閣諸島などの領土問題は世が世であれば一触即発の危機に直面している。そうしたなかでの北京の日本大使館丹羽宇一郎氏が乗った公用車が襲われ日の丸を持ち去られた。

 北京市公安当局は治安管理処罪法=15日以下の拘留や千元(約1万2千円の罪金)違反で日の丸を奪った男ら2人を5日間の行政拘留処分にした。公安局は犯罪の程度は軽微と判断、起訴を見送る理由にあげているが反日世論に配慮したことも否めない。

 国旗「日の丸」については年齢差、個人差があるとはいえ国家を象徴する標識で、国の祝祭日や外国に敬意を表す場合などに掲揚するものである。敗戦後、日本の教育は日の丸即戦争と結びつけ軍国主義への過去の歴史をつぐむ傾向があった。近年になって、やっと君が代、日の丸が定着してきたが、戦後教育の功罪をあげれば切りがない。

 中国大使の公用車襲撃事件はとりあえず早期決着で尖閣諸島など最悪のシナリオは免れたが抜本的な解決先は見えていないようだ。

(村上幹郎)

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