神話を学ばなかった民族は例外なく滅んでいる

掲載号 12年08月25日号

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 暦の上で立秋は過ぎ、暑さがおさまる処暑も過ぎたというのに30度を超える厳しい残暑が続いている。

 平安の歌人は、秋きぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる―と詠んだ。季節は知らぬ間にめぐり、気付いたときには包まれてしまっているものだろうか。

 4年に1度のスポーツの祭典ロンドン・オリンピック大会は久々に日本中を沸かせた。メダリストの凱旋パレードは銀座に50万人の観客を呼び込むというおまけ付き。

 一方、日本の領土問題に目を移すと隣国の攻勢に後手つづき。消費税問題に政治生命をかけているうちに北方領土、竹島、尖閣諸島の不法占拠問題はエスカレート。国内外の政権はお盆休みのこともあって十分な国民向け説明をしたとは言い難く秋風が吹いている。

 竹島を領土に抱えながら手も足も出ない島根県。出雲大社周辺を主会場に「神話博しまね」を開催中だが20世紀を代表する歴史学者トインビーは「神話を学ばなかった民族は例外なく滅んでいる」と示唆する。

(村上幹郎)

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