ロンドン・オリンピックの開幕まで一か月

掲載号 12年06月30日号

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 ロンドン・オリンピックの開幕まで一か月を切った。戦前教育では同盟国であったドイツのベルリンオリンピックの日本選手の活躍が語り伝えられたものだ。

 戦意高揚の意図もあって体格で劣る日本人に大和魂(やまとだましい)を吹き込み、女子選手を大和なでしこ頑張れ!前畑頑張れ!の実況放送が国民の耳にインプットされた。この時代の「暁の超特急」といわれた陸上短距離の吉岡隆徳さんの指導に参加する出会いは一生の財産になった。

 くやしかったのは64年前の1948年ロンドンオリンピック大会。昭和23年といえば日本は敗戦後間もないころだが平和の希望をかかげスポーツ再興をめざしていた。

 そこへ、日本とドイツは参加できなくなった。当時、残念がったのは水泳1500メートルの競泳男子古橋廣之進と橋爪四郎(83)。くやしがったのもむりはない。世界的記録からワン・ツウ・フィニッシュ間違いないといわれていただけに本人たち関係者の無念は52年のヘルシンキで晴らすことになる。

(村上幹郎)

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