福島からの赴任 瀬戸田博愛幼稚園園長 土屋修二さん(61)

掲載号 12年05月19日号

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福島県いわき市の平幼稚園園長から4月、瀬戸田博愛幼稚園園長に着任。昨年の3月11日、6分間の激しい揺れに見舞われ、80人の園児を守ることに必死だった。津波は避けられたものの原発事故で園児や保護者の全員が避難した。

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4月、園児の半数がもどり、園が再開した。しかし放射能汚染により屋外で遊べない日々がつづいた。最近、1時間くらい遊べるようになったという。毎日、園児たちの居場所確認を携帯電話でつづけた。

瀬戸田に来ても津波の恐怖は消えない。海をみると怖いと感ずる。だけど福島にくらべ、野菜、花、イチゴなど育てることができるし、何よりも時間を気にしないで子どもたちが野外で自由に遊べる。

土屋修二園長(61)は、支援の方法は色々あると話す。先日もイチゴの苗を送った。さらに夏野菜の苗を送る計画だ。こちらで育てた苗を安全な土を使って福島で育てるという。

危機管理と避難体験学習の大切さを訴える。「押さない」「駆けない」「静かにする」「戻らない」「素早くする」「先生の話をよく聞く」。頭文字をとって「お・か・し・も・す・き」。園児たちに体で会得してほしい。

福島から避難した人への生活回復支援のための畑や空き家の提供ができないものか心をくだいている。

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