孟母三遷の教え 評価される田熊教育 心をくばった教育行政を

掲載号 11年11月26日号

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 孟母三遷の教え―(もうぼさんせんの教え=子供の教育のためによりよい環境を選ぶこと)ということわざがある。

 孟子といえば中国・周の時代。孔子(こうし)のあとをついで儒教をひろめた思想家。その母が、孟子が葬式のまねをして遊ぶので市場の近くに移転。すると商売をして遊ぶので、学校の近くに転居。今度は礼儀作法のまねをするようになったので、ここに定住したという。

 このところ田熊教育が評価され、同町へ転居する家族の話を耳にする。その一方で何も知らずに転居したら前の学校より勉強をよくするようになったetc。

 ところが市教委は教育環境の良い学校も悪い学校も統廃合によって融合してしまうのだから学校が自由に選べる時代になったといってもやり切れない思いだ。5年前には田熊教育を守ろうと住民が市と教委に対し請願署名運動をしたのは何だったのだろう。ハード面だけでなく精神的な面などにも心をくばった教育行政を心がけねばまた住民の反対運動がおきかねない雲ゆきだ。

(村上幹郎)

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