因島高校創立90周年 戦後まもなくの因島高校をふりかえって

掲載号 10年11月06日号

前の記事:“因島高3年の卒業論文 22日課題研究発表会
次の記事: “因島高校創立90周年式典と講演・祝賀会 掲示板を2基 同窓会が贈呈

 因島高校が創立90周年を迎えた。7人姉妹弟の全員が因島高校出身というのも珍しいのではなかろうか。

 もっとも姉は戦時中の県立土生高等女学校時代で3年生から学徒動員にかり出されモンペに鉢巻姿の少女時代を占部造船所(現内海造船所田熊工場)通いで卒業。私は敗戦で少年志願兵をまぬがれたものの勤労動員で授業はなく「英語は敵国語だから」という理由で廃止されるという今では考えられない学校環境でした。

 学力がバラバラの中学生たちが戦後のアメリカ式の制度を取り入れた新制高校にUターンしての開学だったから教師はとまどったことだろう。生徒側はそれぞれの目標を立て進学組と就職組が理解しあって独自のカリキュラムを組んでいたようだ。

 一例をあげれば文化系を志望する生徒は数学の授業中に英語の自習をしても教師は気にしなかった。それで進学できたのだから古きよき時代であった。そして働きながら勉学に励んだ「蛍会」(定時制)の足跡も同校の歴史を紡ぎ枚挙に遑がない。

関連書籍

E