ふるさと往来【4】三浦線バスとともに 鏡浦町吉平豊さん(58)

掲載号 10年10月30日号

前の記事:“被爆アオギリ 因島でそだつ
次の記事: “技術センターぎょう鉄研修

因島の三庄町と中庄町を走る三浦線バスを、前任者の定年退職後、10月1日から運転している。

吉平豊さん

5歳まで土生町で過ごし父親の仕事の都合で、尾道市に移り、地元の高校から大学に進学。卒業後は東京の会社に勤務。

輸出入業倉庫管理の仕事に携わっていたが、54歳で退職。子どもの頃からの夢であったバス運転手になるため大型2種免許を取得した。さっそく東急バスに就職。横浜市内の路線バスを運転していた。

バス業務の仕事は軌道にのったが、父親が89歳で他界。母親を一人にさせておくのが心配でたまらなくて昨年4月バス会社を退職し母親の住む鏡浦町に帰ってきた。

母親と暮らしながら、大好きなバスの運転に従事できるなど、考えてもいなかった。幸せだ、と笑う。過密ダイヤに満員の乗客という横浜とはまったく違い、平日7便、日祝4便往復の三浦線は、乗客との会話も楽しい。

早朝運転で早速、イノシシ親子に遭遇することもあった。乗客の様々な要望をこまめに聞くことに努めている。運転の場が変われども、「安全第一」を心がけて山道を走る。

趣味はパソコン。島中を散歩しながら写した写真をSNS「mixi」にのせたり、インターネット検索を楽しんでいる。

吉平豊さん

関連書籍

E