鼎の軽重を問う 隠せない約束違反

掲載号 10年06月26日号

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 鼎(かなえ)の軽重(けいちょう)を問うという故事がある。相手の実力や権威を疑うことに使われるが「鼎」は古代中国で使われた三本足の大きな金属の釜で、王位の象徴とされた。楚(そ)の荘王(そうおう)が周王室の宝物である鼎の大小軽重を尋ねたという故事によるらしい。そのことから権力者の実力を疑い、これに代わって天下を取ろうとするたとえにも使われる。

 昔は議会の質問の中によく使われてきたが、近年になって死語になったのだろうか野党側の質問にも聞かれない。もっとも鼎の大小軽重よりも政治家の約束が信じられない世の中だから鼎の軽重どころか「ウソかマコトか」を聞き分けなければならない時代になってきた。

 混迷の政局のなかで参院選がスタートした。民主・国民新党の与党が過半数を守れるかどうかが争点。広島県選挙区は定数2人に対し5人が立候補。現職の亀井郁夫氏(国民新党)の引退で与野党の指定席の様相。9ヵ月前の公約を思い出すと約束違反があるのも隠せない。

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