寅年について

掲載号 10年01月01日号

前の記事:“因島南中学校 来春開校 校歌と校章を披露 3校統合へ心ひとつに
次の記事: “因島南中学校に期待する岡本和信土生中校長に聞く 島の気概と誇りを持って

明けましておめでとうございます。良いお年でありますよう―。暦の上では威勢のいい「寅年」。12支の3番目、今の時間でいえば午前4時前後。動物でいえば「虎」。ネコ科の哺乳類だが人類にとって学ぶことも多い。

中国の説話によると「虎は死して皮を留め、人は死して名を残す」「虎の衣を借りる狐」といったズルい考え。「虎を野に放つ」「虎視眈々」といった物騒なたとえもある。

幼年のころ近所のおじさんから聞いた黒白の碁石を並べての「虎の子渡し」の話を思い出す。「トラの子3匹のうち1匹が彪(ひょう)で2匹のトラの子を食べてしまう。そこで川を渡るさい最初にひょうを渡し、次の子を渡した帰りにひょうを背負って戻り、残りの1匹を渡したあとで再びひょうを渡した」というトラの知恵に関心したものだ。枯山水で有名な京都・竜安寺の石庭の異称ともなっている。

政権交代したニッポン。虎の尾を踏まぬよう「前門の虎後門の狼」という日米中関係に気をくばりながらの新年を迎えたようだ。

関連書籍

E