世界恐慌の前夜のオバマ大統領就任演説

掲載号 09年01月24日号

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 大寒で冷え込んだ21日午前2時。日本の昔流に表現すれば草木も眠る丑三つ時米国44代大統領バラク・オバマ氏の就任演説が始まった。

 若いころスピーチライターに携ったこともあり、この種のニュースに興味深い。同時通訳は耳ざわりだったが、イスラムや共和党など内外の対抗勢力との融和を掲げた点がうかがえた。当然のことながら「日本」という単語は出てこなかった。それだけ日米関係が安定しているからだと理解していいのだろうか。

 国の再生は国民の力が頼りだと呼びかけたオバマ新大統領。独立戦争、南北戦争、世界大戦、人種対立etc。危機の度に勤勉実直、勇気と寛容、公正さなど米国民としての精神が解してきた。多くの他国民が集って建国の歴史も浅いバラバラの国なのにいざとなると、不思議なエネルギーがわいてくる国である。

 期待した株価は就任演説後も下落した。もともと米国を震源とした不況が世界にひろがっているわけで、世界恐慌の前夜のオバマ就任となったようだ。

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