デジタルの時計が秒を刻みゆくこの一秒の持つものは何

掲載号 09年01月01日号

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三木 啓子

 デジタル時計の特徴は時・分・秒針の動きに現れています。特に秒針の動きの「律儀な素早さ」は要注目点です。同じ時・分・秒針という名称でも、日時計の秒針はユックリと動き、見る人は癒されて時の流れを忘れる程です。

 ところで、デジタルとは連続する量を段階的に区切って表示(計算機など)することで、対するアナログの連続した表示(計算尺など)と異なります。そうした違いを念頭において作者は「一秒の持つものは何」と尋ねています。

 一秒とは「きわめてわずかな時間」で、

  1. 地球の自転に基づく、
  2. 平均太陽日から求める、
  3. 『地球の公転の平均角速度による』と変化していますが、問いはそんな物理的表現でなく、"過ぎてゆくこの一秒間に(自分に)分かればよい事は何か"と尋ねられていると感じました。
 犬でも三回まわってワンと吠えれば褒美にありつける、まして歌人の問いかけ故、笑われるだろうが応えたく思います。

 「一秒で着手完成できるものは『心構え』でしょうか、例えば、人生の大事は覚悟を決めることなり とか」

「覚悟とは」

「迷いを去り、真実の道理を悟ることです」

「では、只今をどのように過ごせばよろしいか」

「田端義夫の玄海ブルースを歌えばよいでしょう」

『雲の切れ間にキラリと光る』…の光を感じとることかもしれません…

(文・平本雅信)

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