春を誘う想春譜 3月1日酒蔵開放 新酒祭り

掲載号 08年02月16日号

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 創業90余年の備南酒造有限会社(尾道市因島田熊町、藤本久子社長、TEL0845-22-0523)で伝統にこだわる寒仕込み酒造りの槽搾(ふねしぼり)が16日から始まった=写真

 冷え込みが厳しい大寒の好日を選んで新酒造りを始めて約3週間。土蔵の仕込みタンクで低温に育くまれた酒米がほどよく発酵、乳白色の醪(もろみ)が生まれた。頃合いを見計らって布袋詰めし、ヒノキ造りの槽の中にバランスよく積み重ねると、醪や酵母をこし取った芳醇な香りの新酒が流れ落ちる。

 この搾り立ての原酒を槽口(ふなくち)というが.風情のなかに香りが漂ってくるような語感がある。かつて因島だけで7軒あった酒造会社だが、今ではしまなみ海道沿線でここだけになった。槽搾りも県内では珍しくなり巨大なアコーディオン風の自動圧搾機で新酒がしぼり出されるご時世だ。

 3月1日(土)午後6時30分から酒蔵を一般解放して恒例の新酒祭りを聞き、県内外の左党に至福のひと時を提供する。

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