因島高校課題研究 輝きコンクールに挑戦 総合学科利点の息吹

掲載号 07年08月11日号

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 総合学科高校としての充実をめざす因島高校(全日制)は5月1日から、3年生全員(3クラス、108人)が課題研究に取組んでいる。


課題研究論文の発表会の様子

 同校の総合学科で、教科や実習を通して学び蓄えたことを基にして、集大成とも言える「課題研究」を履修する。今年で5年目。課題をそれぞれの生徒自身で設定し、課題の解決に向けた研究を計画的に進め、その成果を論文にまとめる。いわば卒業論文の作成である。

 今年は、国語、地歴公民、生物、物理、英語、保健体育、被服、食物、音楽、美術、書道、情報、工業の13分野で、研究がスタートしている。11月下旬には、完成した論文が「課題研究論文集録」としてまとめられるとともに、同校体育館において、全校生徒・教職員、保護者、報道陣などの前で発表される。

 さらに、そのなかの優秀作品が、県教委の主催する「言葉の輝きコンクール」に出品される。平成16年度には、村上君佳さんの「海賊―自由と仲間と家族―」が最優秀賞に輝いた。

 同校の総合学科校としての充実ぶりが、進学、スポーツ、学校生活などの面で話題になることが多いが、その土台には毎年実施されている「課題研究」の成功があげられる。

 11月下旬に予定されている発表会は公開されており希望者は参加できる。

主要研究テーマ

研究テーマは次の通り。

【国語】作家論=夏目漱石▽正岡子規▽山田悠介▽西尾維新▽手塚治虫ほか
【地歴公民】因島空襲
【生物】「色」(パプリカの色と色素など)▽「目」(コンタクトなど)▽「貝」(貝の浄化作用など)
【物理】携帯用冷却パックの原理
【英語】英語で語る日本文化(VTR作成など)
【保健体育】トレーニングの理論と実践を設定して将来につながる筋力、体位の向上を実現する(パワーリフティング競技の記録を通じて)
【被服】かばんの製作▽指人形の製作▽ペット服の製作▽子ども服の製作▽シャツの製作
【食物】節約デザート▽いろいろなピザを作ろう▽果物を使ったお菓子▽今日の晩ごはんはコレ
【音楽】演奏など
【美術】創作する楽しみの追求▽無彩色についての考察▽どれだけリアルに描けるか▽動物表現▽動物について▽西洋・日本人形▽本~生
【書道】欧陽詢「九成宮醴泉銘」臨書▽明代の書家=董其昌、張瑞図、王鐸、傳山の行書、草書の臨書▽自作の詩を作り、漢字仮名交じりの作品づくり▽刻印作品づくり▽水墨画作品づくり▽般若心経を学ぶ▽百人一首を変体仮名で書く
【情報】ネット犯罪について▽コンピュータウィルスについて▽パソコンの歴史▽インターネットの始まり
【工業】ものづくり「どのようなものをいかに作るか」(工業技術基礎、実習等で修得した知識と技術を生かして、設計から製作までを自らが考え判断してものづくりを行なう)

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