泣いて馬謖を斬る

掲載号 07年08月04日号

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 参院選自民惨敗の要因の一つに度重なる閣僚の失言、責任説明の欠如が国民を怒らせ、いらいらさせたことは否定できない。

 四世紀から七世紀にかけての中国の戦乱を綴った「三国志」に「泣いて馬謖(ばしょく)を斬る」という故事がある。「馬謖素(もと)より亮の知る所と為(な)る。軍を破るに及び、流涕(りゅうてい=涙を流して)して之を斬り、而して其の後を?(あわれ)む」。蜀(諸葛孔明)が、魏(ぎ)との戦いで命令に背いて大敗した腹心の部下である馬謖を斬り、その遺族を厚く世話したという話。

 将といわれるリーダーにとって規律や秩序を守るためにどんなに親しくとも私情を捨てて処罪する「信賞必罰」の心構えが大切だという教訓である。国民の目から見て安倍首相の任命責任はもとより戦犯閣僚の処分についても不満といわざるを得まい。

 日本相撲協会の現役横綱朝青龍関に対する処分は適切であったと思う。高砂親方も減奉処分が科せられたが横綱推挙をした理事会の責任はどう理解すればよいのだろうか。

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