チョコレートとビールの好きなうちの嫁(ママ)晩酌のとき少し照れてる
掲載号 07年07月28日号
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土居 瑠子
長い梅雨も明けたので、夏らしい短歌をと思い選別していたら、今流のしゃれた歌に出会った。ビールをぐっと一杯は、なんとも言えない気分。とくに真夏の夕方の清涼感は格別である。
この歌の大意は、私んちの嫁(ママ)さんのビールのつまみはチョコなんだよ、晩酌の時などは、「おいしい」と聞かれると、小さい声で「ううん」と答えながら、また照れながら頂いているんだよね、と夕方の団欒のひと時を述べている。短歌は形式が短いために全部を言うことは出来ない。一つの物語りの何処かの一部を切り取って歌うのがよい。
この歌の中の登場人物は、うちの嫁(ママ)さんである。それと、この歌の作者である姑御(しゅうとご)さんの二人であるが、よく読んでいると、そこには婿殿(むこどの)もおり、孫達もいるようであって、なごやかな会話が聞えて来て「少し照れてる」という情景が見えてくる。
なんと言ってもビールのおつまみがチョコレートと言うところ、しかもうちの嫁(ママ)というから余計に意外性(おもしろさ)を呼び寄せている。人の嗜好は人それぞれ百人百様である。ビールのおつまみも一般的には、枝豆の茹であげたもの、小エビのから揚げ、魚貝類の干物、煮物などを小皿に盛っている。
ビールのおつまみがチョコである。もちろん他の物も口にはするが、第三者から見ると変っているとも取れそうである。考えて見るとビールが苦くチョコが甘いから良いかもと言いたいが、常識だと思っていた昔ながらの辛党、甘党も境界もないようである。こんな楽しい歌にはなかなか出合わないものである。
(文・池田友幸)


