来春4月の尾道市長選挙 亀田市長の微妙な発言 出馬か勇退か憶測飛び交う

掲載号 06年12月16日号

前の記事:“少年野球新人戦 南イーグルス優勝
次の記事: “海事・保安部・因島署 フェリーの安全チェック 年末年始の合同総点検

 亀田良一尾道市長は12日市議会定例会における議員の質問に対して、来年4月(15日告示22日投開票)に予定されている市長選への出馬についての明言を避け、進退について決めかねていることを滲ませた。

 一般質問は、奥田徳康(誠友会)▽助永一男(おのみちクラブ)▽吉田尚徳(しまなみクラブ)▽住田哲博(日本共産党)▽山中善和(政経クラブ)▽山戸重治(市民連合)▽神田誠規(興友会)▽荒川京子(公明党)▽新田隆雄(誠友会)の9議員が行い、そのなかでも奥田、吉田、山中の3議員が市長の進退について問いただした。

 それに対して市長は、「皆様のご理解と支援をうけて合併後の諸施策を円滑に推進していくことが、自らの責務である」という答弁に終始し、明言を期待する市民を困惑させた。

 この亀田市長の答弁について様々な憶測が飛び交っている。市長サイドにたてば、財政難のなかでの市政運営、とりわけ旧因島・瀬戸田町編入合併1周年を前にした新市建設計画の実行新年度予算の策定など市政運営の最重要局面における市長の求心力の保持は不可欠な問題だろう。安易な態度表明は避けたいところである。

 そのうえで、市政運営を安定させつつ市長選への対応を準備する方策として年内の態度表明を新年の課題に先延ばしにした。

四選出馬の是非

 しかし、そうした政治判断がありうるということとそのことが市民に理解されるかということは別問題である。議会の反応は極めて冷淡で失笑すら漏れた。議員の市長の進退についての質問の背後には多くの市民の要望や疑問が控えていたのではないだろうか。

 議会の有力筋からは、「市長は4選出馬について迷っている」「これで引退説が浮上するだろう」との観測が流れはじめている。当然、市民の間でも「この大事な時に態度表明を先延ばしにするのか」との疑問がひろがっている。

 こうして市長サイドの思惑に反して、逆に市長の求心力の低下、市政運営の不安定化が生れかねない情勢が生れつつある。

 市長選・市議選まであと4カ月。その直前にはそれらと連動した県議選も実施される。尾道市議会定例会は19日、終了する。すべての選挙は過熱し、年末年始は本番突入である。

 舞台は市議会定例会から新年互礼会に移る。市と尾道商工会議所は1月5日、市内のホテルで450人もの政財界関係者を集めて新年を祝う。現在のままだと亀田市長の進退が話題の中心になることは避けられないだろう。

 さらに1週間後、旧因島市・瀬戸田町編入合併の1周年を迎える。もはや合併問題―新市建設計画の実施の問題は誰が次の市長になるのか、この問題といっそう密接不可分の問題になるだろう。

 いずれにせよ市民の関心は亀田市長の4選出馬かそれとも勇退か、その一点に集まりつつある。

(青木忠)

関連書籍

E