瀬戸田高校 高校受験生への案内 島の普通科の使命担う 先進的なキャリア教育

掲載号 06年10月28日号

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 NHK広島放送局は今年7月18日、特集・生口島のキャリア教育を放映した。そのなかで文部科学省の指定をうけ、指定最終年度の3年目を迎えた瀬戸田高校の取り組みを中心に取材している。

 近年、学校教育のなかでキャリア教育が重視されるようになってきた。一人ひとりが夢や目標に向かって行動し輝く児童生徒を育てることを目標とする。そのなかで5年前からつづけられている同高3年生によるインターンシップ(就業体験)活動は全国的に注目されている。9月15日には、キャリア教育の取り組みを視察するために、国立教育政策研究所から6人の視察団が同校を訪れた。

 同校は創立81年の伝統を誇る普通科の高校である。現在の生徒数は150人。2年生からコースが、進学のアカデミックコースと就職と情報系専門学校などをめざすキャリアコースに分かれる。

奥田浩久瀬戸田高校校長 進学について奥田浩久校長=写真=は、生徒の希望に十分応えられると胸をはった。過去3年間実績で島根大学、尾道大学の国公立をはじめ4年生大学に33人、短期大学に23人が進学している。専門学校には78人が進んだ。

 国・数・英について標準と発展の習熟度クラスを設け、学力を伸ばす環境づくりを図っている。そして今年度から国公立をめざす生徒のためにチューター(指導教官)制度をスタートさせた。進路に合わせた課題設定、個人添削など個別指導を強化した。

 就職は地元企業を中心に38人。地域密着型の同校にとって、地元に帰り活躍する人材を育成することは柱となる課題。

 学習面における充実とともに活発なクラブ活動が目をひく。陸上部のインターハイや中国大会連続出場、弓道部の尾三地区大会での優勝などは生徒に自信をつけさせるとともに地域の活性化に貢献している。

 奥田校長は、意気込みを「鶏口牛後(けいこうぎゅうご)」という言葉で語った。「鶏口となるも牛後となるなかれ」である。大きな組織の後につき従うよりも、たとえ小さな組織でもその長となるほうがよい、という意味である。

 事実、同校の生徒会活動体育祭、文化祭などは活発であると評価が高い。リーダーシップを持ち、バイタリティーを発揮できる生徒、夢を実現するバランスのとれた生徒の育成が、同校教育の最終目標という。

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