全国高校生日本語弁論大会理事長賞受賞 岡本アンシャリーさん(瀬戸田高校3年)

第61回全国国際教育研究大会・第24回高校生日本語弁論大会が8月1・2日、宮城県仙台市「トークネットホール宮城」で開催され、瀬戸田高校3年の岡本アンシャリーさんが昨年に続き2年連続出場し、「日本国際協力センター理事長賞」を受賞した。岡本さんは6月に行われた中国ブロック予選会の日本語弁論大会で最優秀賞を獲得し、同ブロック代表として全国大会に進出となった。

昨年は、小学校時代に瀬戸田町に移住し、高校入学までの4年間、地元の人たちが日本語の読み書きなど丁寧に教えてくれたという体験を発表している。↓↓↓(昨年の記事)↓↓↓

日本語弁論全国大会で受賞 瀬戸田高校 岡本アンシャリーさん(2年)

今年の演題「異文化の翼~世界の架け橋~」では「国際線のキャビンアテンダント(航空機客室乗務員)になって、タイと日本の懸け橋になりたい」という将来の目標を述べた。なお、大会にはブラジル、エルサルバドル、イエメン、パキスタン、フィリピンにルーツを持つ生徒たちも参加し、多文化交流の場ともなった。

第24回高校生日本語弁論大会(全国国際教育研究協議会主催)
日本国際協力センター理事長賞受賞

「異文化の翼~世界の架け橋~」

広島県立瀬戸田高校3年 岡本アンシャリー

私が絶対に叶えたい夢は、国際線のCA(キャビンアテンダント・航空機客室乗務員)として、外国人クルーと日本人の乗客の架け橋になることです。

私は年に数回、生まれ故郷であるタイに渡航する機会があります。その際には、日本人の乗客は果たして約7時間ものフライト中、機内での時間を有意義に過ごせているのだろうかと思いながら、CAの方々のサービスや配慮をいつも注意深く観察しています。

なぜなら、外国人クルーが日本人の独特なニーズを理解することは、日本での生活が今年で6年目を迎える私でさえ、かなりハードルが高いと思うからです。そこで、「礼儀やマナーを守る」「本音と建前がある」「謙虚である」など、日本人の特徴がわかり始めた私が仲介して、スムーズにサービスを提供したいと考えています。

私が目指す国際線のCAの役割は、世界中の乗客と円滑なコミュニケーションを取り、乗客のニーズを正確に理解することです。そのためには、高いレベルの英語力やさまざまな国の文化やマナーの知識が求められます。

小学校5年生まで生まれ育ったタイと、小学校6年生から暮らしている日本とでは、当然のことながら文化やマナーに大きな違いがあります。その中で、私が日本に来て驚いた3つの違いについて挙げてみます。

まず、一つ目は、タイでは麺類や汁物をすすることはまずありません。音を立てて食べることはタイではマナー違反です。そのため、麺をすするのではなく、スープをすくったレンゲの上に箸を使って適量の麺をのせ、一口ずつ食べます。ところが、日本では麺をすすることが一般的です。私はこの違いに正直驚きました。日本人が麺をすする理由を調べてみると、麺をすすることで風味を楽しむことができるようです。

そして二つ目は、ホテルで日本人の宿泊客が、エレベーターがあるにもかかわらず、階段を使う光景をよく見かけます。この行動には、最初は全く理解できませんでした。タイでは、「便利さ」を優先するため、階段を使うことはほとんどありませんでしたが、日本では階段を上り下りすることで、エクササイズとして階段を利用している人が増えていることがわかりました。私もこれからは、健康な体づくりのため、極力階段を使うようにしたいです。

最後に三つ目は、タイでは朝食は屋台で買って食べることが日常的な風景です。そもそも、タイでは外食をする機会が多いです。首都バンコクを中心に、都市部では朝から晩までたくさんの屋台が並んでいます。大きなショッピングセンターには必ずといってもいいほどフードコートがあり、普段から外で食事をすることが多いです。家で食事をする場合も、おかずは屋台で買うのがごく一般的です。

広い世界を見渡すと、こうした文化やマナーの違いはどの国にもあると思います。私は日本とタイ以外の文化やマナーの違いにもとても興味があり、さらに知りたいです。

将来、私が国際線のCAになるという夢を叶えたら、世界中を飛び回り、それぞれの国で文化やマナーや宗教の違いについて学び、丁寧な接客が外国人に評価されている日本ならではの「おもてなし」を大切にし、日本の文化として広めていきます。そして、国籍や民族の違いがあっても、互いの違いを認め合い、対等な関係を築く姿勢を大切にしたいです。世界で働くために必要なのは、国の文化・歴史・宗教・価値観が違うことを理解し、認める気持ちだと思います。

私は外国人クルーと日本人の乗客の架け橋になる国際線のCAになるために、「道は必ず開ける」と自分を信じて夢に向かって挑戦します。

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