ふるさとの史跡をたずねて【106】長右衛門の碑(因島重井町青木)

長右衛門の碑(因島重井町青木)

青木道路を北へ向かって歩くと重井郵便局に至るが、その少し前、青木城跡の麓に長右衛門の碑と呼ばれる、文字を掘った岩がある。岩というよりも砂の塊のようなものであるから、風化が激しい。かろうじて次のように読める。

「備之後州御調郡因嶋重井村之住 前長右衛門尉法名宗徹□□寛 永万治之間 □全村中田畠□九拾 町□□□□□□テ寛文年中自此 西之三新開田畠拾町余為子孫 十一□□□□公之者也」。(空白は改行、四角は判読不能。)

やはり、二代長右衛門宗徹のことである。宗徹は元和二年(1616)に18歳で庄屋になっているので、「元和寛永万治之間」かもしれない。生涯を干拓事業に費やしたことがわかる。

この石碑より西の三新開というのは、どこのことだろうか。単純に考えて、この石碑のある青木沖新開、上流の長右衛門新開、重井川の西の郷新開ではなかろうか。そうであるならば、寛文十二年(1670)までには重井町の東西橋あたりまでができていたことになる。

こんなに昔から陸地になっていたのだから、川沿いに住んでいる人を除けば、干拓地であるということを普段は意識しない人の方が多いだろう。

「災害は忘れた頃にやって来る」というのは、過去の災害の歴史を言うのであるが、災害の歴史のみならず、自分たちの住んでいる所の歴史という意味もあるように思われる昨今である。

(写真・文 柏原林造)

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