統一地方選挙も終ってみれば収まるところに落ち着いたようだ。想定外だったのは3月倒壊説が出ていた菅内閣。11日の東日本大震災と福島原発事故で世界中の注目をあびながら一進一退。リーダー不足と言われながら2カ月目を迎えた。

　こうした背景のなかでの地方選挙で立候補者も有権者も熱く燃えあがるムードはおきなかった。投票結果は軒並み投票率ダウンが物語っている。もっとも平成の大合併で選挙区が広域になり、身近な選挙であるはずの首長、議員と有権者の意識感覚が広がったとはいえ、結果は旧来の市町単位の地域対抗選挙の要素が浮き彫りにされたようだ。
　因島、向島、瀬戸田の島しょ部は、各候補者が”棲（住）み分け”で全員当選。吸収合併2期目を代表するが、選挙中に財政硬直で大ピンチと思われる問題や合併により不用になった庁舎跡、学校跡の活用など課題は山積。なかでも2011年度の経常収支比率は93・7%。市の台所は火の車で、合併前なら大騒ぎする数値である。
（村上幹郎）

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