2017年10月14日 / 最終更新日 : 2024年2月26日 times 故郷への手紙

故郷への手紙【50】スタート

スタート

「二十代最後」
そのフレーズが、私の耳元をくすぐる。
二十歳を迎えたとき。
十代最後を名残惜しむようなこともなく、「いよいよなんだ」という期待感を感じていたのを覚えている。
二十歳を迎えてからの九年間、あっという間だったな。
大学生活、社会人、東京での暮らし、転職、ダイビング、人との出会い、海との出会い、初めての海外旅行、新しい挑戦、再会や別れ、色々な場面が目に浮かぶ。たくさんの人の顔が浮かんでくる。
後悔したくなることもたくさんある。
私の人生、遠回りばかりだなと思うこともよくある。
だけど、それも悪くないのかなと思えるようになった。
今日笑顔で過ごせることが、とても有難い瞬間だと思えるようになった。
誰かに必要とされていると感じたり、誰かの言葉に喜びを感じたり、たまに失敗して落ち込んだり、筋肉痛で身体がだるかったり、汗をかいて声を出して必死になったり、たまに家に引きこもってみたり。
最近、そんな自分を少し好きになれるようになった。
それは、たくさんの人との出会いのおかげだ。
誰かがいるから、私は私を認識していられる。
あと四ヶ月と二週間ほどで、私の二十代は終わる。新しい私のスタートを切ろう。