ふるさとの史跡をたずねて【23】白石島(尾道市向島町)

白石島(尾道市向島町)

余崎城の東の入り江はかつて船隠しがあったところであるが、今はマリンユースセンターになっている。ここと百島の南端だんご岩を地図を出して結んでみよう。そのまん中あたり、ちょうど加島の南側に小さな岩礁のような島がある。白石島である=写真㊦。白石島には小さな海食門があり、その穴を通して向こうを通過する船影が見えたりする。

重井に住み、代々庄屋をして長右衛門と称したのは六代吉充の弟吉清の子孫である。長右衛門家六代知義の弟忠四郎は分家して伊浜に住んだので伊浜分家と呼ばれた。広島藩と福山藩の境界争いがおこった時、忠四郎は父親の名代として、この白石島が藩界であることを説いて解決させた。その褒美に藩主から白石の苗字と帯刀が許され、馬神山の土地、後に毎年の香花料を賜った。それゆえ白石島は伊浜島とも呼ばれる。

長右衛門知義は重井の庄屋として塩田を綿作地に変えるなどの事業の必要から、上下の高利貸しから借財した。しかし村の会計が横領し書類を焼いて逃亡したため、返済できず知義一人がその罪を負い刑死して家族は四散した。

忠四郎はそれ以前に亡くなっていたので、伊浜分家には累は及ばなかった。以来、長右衛門家の跡目墓所などは伊浜分家(現在の嘉美屋村上氏)によって相続され守られてきた。

(写真・文 柏原林造)

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