馬鈴薯の芽を刳ることなんとなく悪事を働く気分になりぬ

藤原野栖枝
 一説によると「あらゆるものに命は宿っていて、命は使命を持っており、寿命が尽きても新たな命を育む」という。


 この考えによれば「一度命を得たものは死なぬ」との変化もあって、命の連鎖という深慮を思わされる。
 こうした命の連鎖点に、「馬鈴薯の芽を刳(えぐ)る」という作業があり、それは他者の命を刳ることだ。
 作者はその作業に「悪事を働く気分」を感じられ、天性として「天の配慮に敏感」と思う。
 それでは「芽を刳る」に軸足をおいて詩的想像の世界を覗きましょう。
 この一首は命の連鎖を視野におき、その先に地球温暖化を見ておいでのようだが、ここでは家庭の台所作業と仮定したい。
 馬鈴薯の芽にはソラニンという有毒物質が含まれていて、大量にとると中毒を起こし、苦味もあっておいしくない。だから、主婦が家族の保健管理上、「芽」を取り除く理由はある。
 馬鈴薯にすれば、命の連鎖点の「芽」を他者から守るため、中毒効果と苦味を付け加えている。
 詩人なら、こうした二律背反をどう見るだろう。
 なにがてんしからのおくりものか/それをみわけることができるだろうか△はなでもなくほしでもなく/おかしでもほがらかなこころでもなく△それはたぶん/このわたしたちじしん………(谷川俊太郎)
 そうであれば……
 わたしたちは毎日の生活に寄り添っている天使に目を向けねばならない。
 天使。
 それは命の連鎖かもしれないのだから。

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