ふるさとの史跡をたずねて【435】小学校史⑮郷土の観察

小学校史⑮郷土の観察

国民学校の特色が国民学校以前からあったものだということは前回の奉仕活動の例を見てもわかる。

郷土史学習が国民学校になって急に始まったわけではないと思うが、今回取り上げる「郷土の観察」は初等科4年に行われた。

昭和16年の「国民学校令施行規則」にその内容が示されている。第二節第六条では「国民科地理ハ我ガ国土国勢及諸外国ノ情勢ニ付テ其ノ大要ヲ会得セシメ国土愛護ノ精神ヲ養ヒ東亜及世界ニ於ケル皇国ノ使命ヲ自覚セシムルモノトス初等科ニ於テハ郷土ノ観察ヨリ始メ我ガ国土及東亜ヲ中心トスル地理ノ大要ヲ授ケ我ガ国土ヲ正シク認識セシムベシ」とあるから、地理の初歩ということであろう。

そして郷土愛から国土愛への発展を目指した超国家的な精神が、戦後民主主義の立場から批判され否定されたのであろうが、「修身」ほど知名度が高くなく専門家を除けばあまり話題にならなかったのではなかろうか。

施行規則の指示は「郷土の観察」だけのものではないが、その具体的な方法は、第六条の後半に次のように記されている。(表記を改めた)。

「郷土の観察は国史、理数科等と相俟ちて統一ある指導を為すべし。簡易なる見取り図、模型の製作等適当なる地理的作業を課すべし。地図、模型、図表、標本、写真、絵画、映画等を利用して具体的直感的に習得せしむべし。読図力の養成に努め遠足、旅行その他適当なる機会にこれが実地指導を為すべし。」

戦時下でもあり、どれだけ実施されたかは不明であるが、地理は地図帳で学ぶものだと思っている私には驚きである。

そして現象面だけ述べれば、戦後教育で育った世代が郷土の歴史を知らず、年配者の知識に驚くのはよく経験するところである。また、郷土の歴史が戦前の教科の学習に含まれていたことすらも知らないのである。

国民学校令施行規則の第二節第六条、国民科地理の部分を、1941年3月14日の官報より示す=写真㊤。(国立国会図書館デジタルコレクションによる)。

(文・柏原林造)

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