故郷への手紙【15】石の島(5)

石の島(5)

宿への道は長かった。
遠くに島々が見える海は、瀬戸内海に少し似ている。
海を横目に歩く帰り道。
たまに通る車は品川ナンバー。

小学生の頃、三庄から椋浦までをよく歩いて帰った。
バスを待つよりも歩く方がワクワクしたから。
配達のおじさんやおばさんが「乗ってく?」と声をかけてくれた。
たまに乗る助手席は、なんだか特別な気分がした。

そんな帰り道に似た、宿への道。
さすがに声をかけてくる人はいなかった。
宿に着いて簡単に夕食をすませた。
畳の上に布団を敷くと懐かしい心地。
雨が降り始めた。
お風呂は窓の外。
まるで実家にいるようだった。

私の実家は、お風呂が外にある。
寒い冬は、お風呂に行くとき気合いが必要。なので、お風呂が大の苦手だった。
そんな日々を思い出すなんて、不思議な縁だな。

静かな空と雨の音。
島の夜を独り占め。

「明日は晴れますように」

青木めぐみ

(青木恵)

[ PR ]ピザカフェつばさ

因島の美味しいピザ屋「ピザカフェつばさ」

みょーんと伸びるチーズとこだわりの生地を溶岩石窯で一気に焼き上げます。
テイクアウト歓迎。

尾道市因島土生町フレニール前(旧サティ因島店前)
TEL 0845-22-7511

平日・土曜日 11:00~22:00
日曜日・祝日 11:00~14:00