【卒業論文】ミュージシャンと故郷の繋がり「ポルノグラフィティと因島」(8)

Let’s go to the answer』(2005年4月20日発売のアルバム『THUMPx』収録)作詞作曲・岡野昭仁。

「情熱は変わんないぜ 今でも因島(Into)Dreaming」→因島は「いんとう」と読まれる事もあり、その読みと英語の"Into"がかかっている。この曲は本章第二節で述べる因島ライプで歌われた曲でもある。


邪険にしないで』(2009年11月25日発売のシングル『アニマロッサ』収録)作詞作曲・新藤晴一。

「よせる波は途切れんじゃろおし 夏にはみかんは香るじゃろお」→ポルノグラフィティの楽曲の中で唯一、歌詞が全て広島弁で書かれている楽曲である。その中から引用した上記の部分の歌詞は因島の風景を歌っていると思われる5・6月頃の初夏の因島では、風が止んで波がなくなる風の状態の時に柑橘類の花の香りが充満するそうだ。八朔発祥の地でもある因島らしい現象である。

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これらの他にもテレビ番組の企画でポルノグラフィティのデビュー曲『アポロ』の広島弁バージョンが作られた事もあった。また、具体的な地名などは出ていないが、故郷について歌った楽曲は他にも多数ある。このように、彼らの楽曲には因島にまつわる歌詞が度々登場する。第二章で詳しく書くが、因島を訪れるファンの多くは、土生港を始めとして歌詞に登場する地へ行きたがる傾向にある。

ヴォーカルの岡野さんが「因島で育ってきたんだから歌詞に出さんといかんと思う」と語るように、因島抜きでは彼らの思いや考えは表しきれないのだろう。因島でヒアリング調査をしている中でも、「因島の風土が彼らの作る楽曲に影響を与えているのでは」という声を何度か聞いた。例えば、新藤さんが得意とする、世の中に対する皮肉が含まれた攻撃的な歌詞は、村上水軍の影響なのではないだろうか、という意見がある。因島に漂うのんびり自分を振り返る事が出来る雰囲気も、ポルノグラフィティの人間性に繋がっているとおっしゃる方もいた。確かに、因島は都会の煩わしい事を全て忘れてくつろげるような、柔らかい空気に包まれているように感じた。そんな環境で育ったからこそ、しみじみと考えさせられる味わい深い楽曲がポルノグラフィティには多いのかもしれない。

長神有紗(阪井ゼミ卒論文集より)

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