故郷への手紙【63】重力ピエロ

重力ピエロ

いてもたってもいられない。
久しぶりに味わうこの感覚に興奮した。
つい2週間ほど前の話だ。
高校生のとき、日曜日の新聞を何気なく読んでいたら、本の紹介欄に気になる作品を見つけた。
『死神の精度』という本だ。作者は伊坂幸太郎。
何気なくその記事を読んでみたら、その本を無性に読みたくなり、その当時の自分には珍しく新書を購入した。
「読みたくてしょうがない」という感覚に陥ったのは、その作品が初めてだった。
その出会いから数年、大学時代に出会った作品が『重力ピエロ』。
映画化もされ、原作にも映画にも夢中になったことを覚えている。
調べるとその作品以前にも何作かあることを知り、古本で買い集めた。
新作が出ると必ずチェックをした。
ふと振り返ると、大学時代は専門書以外では、伊坂氏の本しか読んでいない気がする。
つい最近、知人と映画の話題になり、『重力ピエロ』を薦められた。
そのワードを久しぶりに聞いたこと、その作品を共感できる相手がいることが、ものすごく嬉しく胸が踊った。
いてもたってもいられず、すぐにレンタルビデオ屋で映画を借りた。
映画を観たら原作を読みたくなり、翌朝図書館へ借りに行った。
いてもたってもいられなかった。
「楽しそうに生きていれば、地球の重力なんかに負けないんだよ」
(伊坂幸太郎『重力ピエロ』2009・映画)

青木めぐみ

(青木恵)

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