私たちの実験魚・・・ハオコゼ
ハオコゼは、岩手県以南のアマモ場や岩礁域に棲息しています。
『しまなみ』地域では、「からこげ」という名で親しまれています。
というのも、よく釣れるからです。
ただ、釣り人にとっては狙っている獲物ではないので“外道”ではありますが・・・
ハオコゼは刺毒魚!!
ハオコゼは背びれに毒を持つため“厄介者”扱いをされています。
海水浴中に刺された経験をお持ちの方も、かなり居られるのではないでしょうか?
刺されるとズキズキ痛むそうです(ちなみに、私はまだ刺されたことがありません)。
ハオコゼの毒は体内でつくられるタンパク質の一種です。
ですので、熱に弱い。
刺された時の応急処置として、火傷をしない程度の熱いお湯(45℃くらいかな!?)に患部をしばらく浸けておくと、毒が熱によって変性し、痛みが和らぐそうです。
ただ、あくまでもこれは応急処置ですので、早目に医師の治療をお受けになることをお勧めします。
ハオコゼを実験魚に用いる!!
私の所属している研究室では、ハオコゼを実験魚に用いています。
ハオコゼはアマモなどの海草の葉上でゆらゆらと波に揺られていたり、岩礁域の潮溜まり(タイドプール)で良く見掛ける魚です。
海岸付近に棲息しているため、季節変化にともなう水温の変動に適応して生きていると言えます。
「こうした水温の変化にいかにして適応し、過ごしているのだろうか?」
この謎を解く為に、ハオコゼを実験魚に用いているわけです。
また、採取が容易ですし、小さな水槽でも飼育が可能です。餌を上げるときも、私の姿を見掛けると“わ~っ”と水面まで上がってきて餌をねだります。
よくなついてくれるので、とってもカワイイ魚なんですよっ!!
それと・・・ハオコゼの雄と雌は見分けがつきやすいのも実験魚の利点です。
背びれの前の方にあるトゲのようなひれは、雄の方が雌よりも長いのが特徴です。また、私の特技(!?)ですが、彼らの顔を見るとその様相から雌雄の判別ができます!! 雌の方が、やさしい顔をしていますっ!!
私の名刺には、私がパソコンソフトで描いたハオコゼの絵がついています。
筆者紹介
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尾道の対岸に浮かぶ向島むかいしまに移り棲み、かれこれ20年近くになります。向島は、”しまなみ海道”をつなぐ島のうち、尾道側から一番目の島になります。向島の最高峰『高見山たかみやま』の山頂展望台から眺める風景は、季節や時間を問わず、いつでも素晴らしく、風光明媚な瀬戸内の自然を存分に体感できます。
私は京都市に生まれました。その後、長崎(佐世保)、三重(伊勢)、徳島(小松島)、岩手(盛岡)、宮城(仙台)、広島(尾道)と日本各地を転々としてきました。これらの地の風土に暮らし、さまざまな自然の姿をみてきたことで、ほかにはない”しまなみ”の素晴らしさを実感しています。
『しまなみ海中散歩』と題したこのコーナーでは、瀬戸内海のことや、ここに棲息している魚介類のことなどを皆様に紹介してゆきます。どうぞよろしくお願い致します。
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お久しぶりです。
「からこげ」は、
冬場でも、メバル釣りなどをしていると釣れたりします。
因島周辺では、もしかしたら、一番ポピュラーな魚かもしれません。
餌付けすると、人になれる、というのは、初耳でしたね。
ところで、
これから冬になると、釣り人は、メバルを狙いだします。
北方系の魚、卵胎生などの特徴は知っていますが、
詳しいことを知らない人は多いのではないかと思います。
けっこう賢い、という話も聞きます。
次回のリクエストとして、
メバルを取り上げてもらえないでしょうか。
ハクセンシオマネキさま、コメントを下さりありがとうございますっ!!
ハオコゼは、ほんとに可愛いお魚です。
毎朝、餌を上げてると、ちゃ~んと私のことを覚えてくれますっ!!
顔を見ただけで、わ~っと寄ってきてくれますよっ!!
リクエストにお応えして、次回はメバルを取り上げますっ!!
期待してます!!
ハオコゼは、夏場、浅瀬で特によく釣れます。
いやになるぐらいです。
そこで、
ハオコゼ対策に、
坂本先生にその界隈で海水浴をしてもらって、
ハオコゼを集める、
というアイデアは、NGでしょうね・・・
ハオコゼのアイドル、坂本先生がやってきた、
というので、
それこそ、わ~っと集まってきたりして。
などと、想像してしまいます。
ハオコゼを飼育するには、何を与えればいいのですか?
てんねんさん・・・
コメントを頂いていたのに気づかず、お返事が遅れてしまいました。
申し訳ありません。
わたし研究室では、ハオコゼにオキアミや配合飼料を与えています。
すみません・・・
上のコメントにAqua名で返事を出しましたが、これは私のハンドルネームです。