減反か人手不足か車窓より去年見し畑枯草覆う

増成 君子
 年に一回か二年に一回くらいしか通らない道と思われる。乗り物は車でも電車でも同じであるのだが、去年通った時には、あれほど稔り豊かに整然と穂を垂れていた稲田(野菜かも)も一年か二年で枯草の畑となりこのように荒れるのか、と嘆いているのである。普通の田や畑も果樹も同じく三年も人の手が入らないと、どうにもならないほどに原野に戻ってしまう。はじめは、ぺんぺん草や芝草であるが、セイタカアワダチ草・よもぎなどに変り、小灌木が生え、蔓草が覆い、全くの山野に戻る。


 畑やたんぼが荒れ果てるにはそれなりの理由がある。ひところには、米余りからの減反、果樹の切り倒しや放置畑もあったが、現在の荒れ地や放置畑には、農村の過疎化、後継者不足、高齢化などあっていずれも個々の力ではどうにもならない地方の事情である。ダムの建設、道路工事の見直しをはじめ、山陰の宍道湖埋め立て中止などに見られように、何年何十年先まで見通した計画が要求される時代である。国家予算で良かれとして着手しても、十年二十年後の完成時には全くの無用の物となっていることも多い。誰がどのようにして、この誤差やずれをチェックしていくのかと思われて来る。
 車窓からの風景の中に何枚かの荒れ畑が増えて、そこに枯れ草がなびいている。作者の視点には一首の歌として詠んではあるのだが、心の中では、こんなに日当りの良い一枚畑が荒れるなんて勿体無い、米でも野菜でもなんでも出来そうだ、と思いながら島の真砂土の多い段々畑と思い比べているのである。

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