蜀黍(もろこし)のまじれる昔の宿の飯いまなれば健康食と言わんか

和田 綱郎
 昔とは言うものの、そんなに遠い日ではなく、戦中(太平洋戦争)の日本の全国民が食料不足の為に、命からがら生きていた時代の旅の想い出と現代を見据えた歌である。


 昭和16年の日米の開戦とともに、食糧も物も急速に流通しなくなり、すべてが戦争物資として集められていき、何もかもが配給制度化して、軍の管理下におかれた。
 右の短歌は、その厳しい時代に父親に連れられて旅をし、旅館に出された御膳上の飯(メシ)の記憶が強く残っているから蜀黍(もろこし)の入っていた、あの赤味がかった飯はおいしくなかった、と舌先が憶えているのである。今の時代なれば麦や玄米、他の穀類を混ぜ合わせて健康食だと言っているところから見て、もろこし五分に白米五分の食事はまさに健康食と言える内容だったと、少年の頃の旅の記憶を引き寄せている。戦争の時代でも旅館業は営業しなければ軍人も民間人も移動も所用も果せないために、特別に配給品があったようだ。(戦後は米を持って旅をした)
 この歌の中で言っている蜀黍(もろこし)とは、戦中に白米と混ぜ合わせて食べた「コーリャン・マイロ」のことである。これは、元々家畜など飼料にも当てられており、白米(ギンシャリ)とは比べ物にならない食料であった。この呼び方も職場や軍隊、地方によっては、コーリャン飯とか、マイロ飯とか言われていた。腹が空けば何でも口にする時代であって、サツマ芋に少量の米粒が入っているのはおいしい方で、大豆飯のこれはこなれが悪いのでよく噛んで食べなさいと言われていた。

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