村上水軍の「軍楽」の研究【20】第二章「軍楽」史の考察

「近世ニ至リテハ銅鑼ヲ用ヒテ鉦鼓ニカフ」

近世では鉦鼓の代わりに銅鑼を使用している、としている。

「本朝ノムカシ鼓鉦ヲ用フルノミニアラズ大角小角トイフ吹モノヲモ用フスベテ此ノ事ヲ鼓吹司ニツカサトリ」

日本は古代、鼓鉦だけではなく大角小角という吹物も用いた。その全ては鼓吹司が担った、としている。

「楊氏漢語抄ヲ引キテ大角ヲ波羅乃布江小角ヲ久太能布江トヨミタリ」

『楊氏漢語抄』(八世紀頃の辞書)によると、大角を波羅乃布江、小角を久太能布江と読む、としている。

「我ガ朝ニハ宝螺ヲ用ヒ来タリシヨリ此ノ物ハスタリシニヤ」

日本では、法螺貝を用いたため、これらの角ブエは廃れてしまったようだ、としている。

「我ガ朝ノ近キ代ニハ貝太鼓二ツノ物ヲ以テ軍中要器トス」

近世の日本では、貝と太鼓が軍中で重要な道具とした。

「貝ト太鼓トナラベ用ヒシ事ハ礪波山ノ合戦ヲヤ始トシナン」

貝と太鼓を同時に使用するのは、 礪波山の戦い(嘉永二年・一一八三年、源義仲軍と平維盛軍の戦い)が始めだろう、としている。

以上の記述から、金というのは必ずしも鐘や鉦を指したのではなく、金属製の鳴物であったと考えられる。また、新井によれば法螺貝が使用されるようになったのは平安時代末の頃からとしている。しかし、どのような経緯で太鼓、貝、金といった音具が使用されるようになったのかは言及されていない。

神戸大学国際文化学研究科 山本詩乃

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