故郷への手紙【66】ある日のこと

ある日のこと

ある日の午後、職場でのこと。
「青木さんは毎日が楽しそう。」
同僚の女の子は、私に言った。
一つ年下で、小柄で控えめな冷静なタイプ。私とは対照的な女の子。
その子は日々の生活での幸せを、少しでも多く感じようとしていると話し始めた。
「その考え、すごくいいね。」と応えた私に、その子は続けた。
「私は他人よりは多く感じている方だと思うけど、青木さんには敵わない。」
「ありがとう」
私は、思わずお礼を言った。
その子とは深く話をする間柄ではないが、五年程同じ職場で働いている。
クラスメイトに例えるなら、一人で本を読んでいるその子と、鉄棒の練習をしに校庭へ出る私という感じだ。
職場で映画や本の話で盛り上がる人は、ほぼいない。
私がそういうものを好きなことを知る人も、ほぼいない。
だけど、その子なら分かり合えるものがある気がした。
「好きな映画、ある?」
その子に尋ねてみた。
『ニューシネマパラダイス』だと答えてくれた。
好きな映画の話で盛り上がり、思いのほか趣向が似ていた。
そして、私が大学で学んだ『東京物語』を知っていたのだ。
嬉しい限りだ。

青木めぐみ

(青木恵)

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