紅白と絞りと紅の咲き分けの椿に来る人皆褒めくれる

林原 澄子
 花好きな人には悪人はいないという。ああきれい、わあ、と、感嘆詞と声を上げながら花に見入っている人は幸せ一杯の人である。また、花作りをする人も、芽が出た、蕾が来た、咲いたよ、虫にやられた、と一輪の花にも一喜一憂しながら育てることも楽しい。


 木偏に春と並べて椿である。椿は品種によっては、12月の初冬から1月、2月、3月、4月と長い期間を咲き続けてくれる。
 ここに詠まれてある椿の品種は、元々から紅白の絞り入りの花である。しかも紅を基調にしていて、その一輪一輪ごとに花柄の芸を見せてくれる。絞り花とは、立て縞絞り、半染め絞り、吹っ掛け絞りと言って、花弁一枚の半分が赤とか、花の底が赤い、みじん粉を吹いたような交じり花などがある。
 歌のはじめに「来る人みんな」とあるから、作者は友達づき合いがよく、用件半分おしゃべり半分で友人知人がよく来るのである。来客も、話のはじめが「まあきれいな椿」で切り出されるのかも、花からのコミュニケーションもまた楽しである。一寸した嫌みの一つでもと思って来た人も意外に心が和むかも知れない。
 この家の何処の場所に植えられてあるのか、椿の花が遠くから手招きするのでもあるまい。割合いと玄関に近い処かも、庭の道路脇、庭の主木の樫の木の脇など考えられるが、椿はどちらかというと、半分日陰にある藪椿のように、日照時間、水分の多少、直射日光などを考えれば何処でもというわけにはいかない。苗木のときは玄関脇でも敷石添いでも邪魔にはならないが、木の成長も考えれば、しっかりとした位置決めをして植えられると、椿の木全体の風景も花一輪一輪の花芸も心を愉しませてくれる。
(文・池田友幸)

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