藤原野栖枝

花と言えばサクラと言われるほどに日本人の理想の花である。春とは言っても肌寒い四月のはじめにぱっと咲いてぱっと散るその潔（いさぎよ）い散華のさまにどんな花も比べようもない日本人の心である。

抄出は、サクラの花どきの美しさ嬉しさもよいが、ミカンの花の匂いはもっとよいと言っている。遅咲きであった八重ザクラも終り、青葉若葉の出揃った五月の上旬になると因島の全土を覆っているミカンの花が咲き初める。夕暮れどきに夫かまたは友人か二人でミカン畑の道を歩いているのである。二人占めと言う表現には少し無理があるが「仲良きことはいいこと」と言うねらいから「いいね、いい匂いね」と言いながらの会話が聞えて来そうである。

（執筆者・池田友幸）

[ PR ]瀬戸田で唯一の天然温泉

しまなみ海道生口島サイクリングロード沿いに建つ、島で唯一の天然温泉を持つゲストハウスです。

サンセットビーチの砂浜に面し、1,000坪の広大な敷地には、四季折々の花が咲き誇ります。部屋や温泉からは瀬戸内海に浮かぶ『ひょうたん島』と、美しい夕日を楽しめます。

素敵な旅のお手伝いができる日を楽しみにお待ちしています。

PRIVATE HOSTEL SETODA TARUMI ONSEN
瀬戸田垂水温泉
広島県尾道市瀬戸田町垂水58-1
☎ 0845-27-3137
チェックイン 16:00 〜 20:00
チェックアウト ～9:00

瀬戸田垂水温泉公式サイトをみる

関連するかもしれない記事

馬鈴薯の芽を刳ることなんとなく悪事を働く気分になりぬ ひそやかに生き終えしもの見届けぬ午前三時の流れ星ひとつ 一本の石蕗（ツワブキ）の花にぞ見とれたり年を重ねてわかることあり 初春の寺の炬燵に楽しげにおんな五人の会話は続く 新しき三年日記に書き始むわが血を分ける全員集うと 時差のまま想い出とする腕時計ねむらせておく抽出しの中 尾道のローソクアートのお花畑おんな三人見とれていたり 友に会い学生時代に逆戻り体型変われど変わらぬ声に