昔懐かし伊勢大神楽 伝統継承の家元健在 獅子舞・曲芸で魅了
因島石切宮(因島外浦町本因坊秀策生誕の地)の創建55周年記念「御座祭」が13日行われ、神事のあと外浦保育所広場で昔懐かしい伊勢大神楽の「総舞い」があり、幼児から老若男女を包み込んで楽しませた。
伊勢大神楽(出雲市・木村利太夫社中)が備後地方の瀬戸内海島しょ部にやってくるのは旧正月ごろ。軽やかで躍動的な笛・太鼓の囃子に誘われ子どもたちが獅子舞の後をついて歩く風景は、昔物語りになった。
大(代)神楽の意味をひもとくと、江戸時代に伊勢神宮に参詣できない人のために無病息災・家内安全のおはらいをしてお札(ふだ)を配り、代わりに神楽を奉納することから「代神楽」といったらしい。今でも教組の社中が主に西日本各地を巡回している。
伊勢大神楽は獅子舞と曲芸の二つで構成され、舞は悪魔を退治して清めたあと家屋・かまどをお祓いする。元気を授かる獅子の頭噛みは人気がある。
【左】兄弟息があった獅子が遊女を演ずる「魅曲」、【右】御利益を授かる獅子の頭噛み
曲は放下芸(曲芸)師とチャリ師(道化師)が漫才のように掛け合いしながらスリル溢れる芸から不思議な演目を繰り出してお客さんを巻き込んで楽しませてくれる。
特にお祭りやイベントには舞いを織りまぜながら演目を2~4時間通して行なう「総舞」は時間のたつのを忘れ、あきさせない。眼光鋭い獅子。手まりや皿・剣・傘などを操る昔懐かしい曲芸は子どもから大人まで魅了する。
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