ふるさとの史跡をたずねて【228】宮沖相川道路改修碑(因島重井町勘口)

宮沖相川道路改修碑(因島重井町勘口)

草書で「自宮沖至相川 道路改修費」と書かれた石碑がある=写真㊤。左面には、「大正十三年五月起工 同年六月竣工」と書いてある。宮沖は重井八幡神社の下、相川は重井村の最北端で、大浜村に入ると添川と書く。これらは同じ名前で呼ばれていたところが、村境ができてから別名で表記されたということであろう。どちらにも川の字があるから川が村境である。

添川はしまなみビーチのあるところで、大浜村の最北端であり、大浜村の中心からここまでの道路は久保田権四郎氏の寄付で作られまた改修されたことを既に記した。そこからさらに重井側に伸びる道路を改修したということである。およそ百年前だから、かろうじて歩ける程度の道を荷車が通れるようにしたのだろう。

右面には写真㊦のように「総工費一、金一万一千円 総人夫四千四百三十一人 内訳 金一千円大阪久保田権四郎寄付 金三千五百円村費補助 金六千四百五十六円関係寄付 金四十四円特別寄付」とある。関係寄付と特別寄付の違いはよくわからない。関係寄付が周辺の畑や住居の所有者で、特別寄付は周辺に土地を持っていない村民ではないかと想像する。

さて、この石碑は現在の宮沖相川間の道路沿いにはない。旧道がパルエッグセンター因島農場の東側(山側)を走っており、その道路沿いにある。ただし、この旧道の北端は今は通れない。

大浜町から中庄町重井町に通じる三本の道路が権四郎翁の寄付で作られさらにその延長も整備されたと既に記したが、因島最北端の周回道路にも多額の寄付が寄せられていたことに気づき、改めて権四郎翁の配慮に敬服する。

写真・文 柏原林造

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