断崖から身を投じたる沖縄の主婦の映像ひえびえと見る

片山 哲子

 今年で戦後六十年を迎える。八月十五日の正午に聞いた昭和天皇の声(玉音放送)に、一億の日本国民みんな沈痛な思い、またそれ以上の悲しみに沈んだ一日であった。

 右の歌は、この日より二ヶ月前の映像を歌ったものである。戦争という苦難の日々を語るとき、住民も巻きこんだ激戦の地の沖縄戦を思うとき必ず映される。四月の初めに沖縄本島に上陸したアメリカ軍の圧倒的な兵力によって、次第に追いつめられていき、ついに断崖から次々と身を投じていく主婦たちの死の瞬間である。テレビ画面に何度となく映された、まさに心も凍る想いにかられたことと思われる。

 国のため、天皇のためという思想には、当時としては誰一人抗する者は居なかった、洗脳されていたと言えばそれまでだが、大日本帝国という名の大河のうねりは、あの八月十五日の敗戦の日まで続けられた。傷ついた兵士や「ひめゆり隊」の少女たちにも手榴弾が渡されたという。以下「毎日新聞社発行昭和史記録」より沖縄戦の記事を抜粋した。

3・26 米軍は慶良間列島に上陸し、住民集団自決。 4・1 米軍沖縄本島に無血上陸、海上には艦船千四百隻、飛行機千七百機。 4・6 戦艦「大和」沖縄に向け出撃。軽巡1、駆逐8。 4・7 2時分「大和」轟沈。死者二千七百、生存者二百六十人。 5・4 米軍那覇市進入。 6・19 「ひめゆり隊」「おとひめ隊」多数自決。 6・23 軍司令官「牛山満」ほか将兵自決、沖縄守備隊全滅。戦死者9万、義勇兵死者3万、一般人十万人。 7・2 米軍側の報道によると、この日沖縄作戦の終了宣言をしている。

(池田友幸)

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