画家・青木廣光さんに聞く「絵を描く事の大切さ伝えたい」
昨年秋に36回目の日展入選を果たした、因島田熊町在住の画家・青木廣光さん(89)。卯年にかける想いを聞いた。
―絵を描き始められたきっかけは。
シベリア抑留から帰り、昭和24年から土生中学校に事務職として勤務したときに、岡崎勇次先生に出会い、すすめられた。
―その後はどうですか。
岡崎先生の影響で油絵を始めた。まもなく土生中で開催された瀬戸内美術展に出品。1953年県美展初入選。55年光風会初入選、57年日展初入選とつづいていきます。
―描くテーマについて。
漁村の風景を描きつづけてきた。一本釣り漁師に哀愁を感ずる。毎日のように因島・箱崎の港で描いたときもある。「繕ろう」という絵=写真左=は、青森県・深浦漁港で働く漁師の姿をとらえたもので、思い出深い。
―先生にとって絵を描きつづけることとは。
絵を好きになるということに尽きる。観る人が心を動かしてくれる作品をつくりたい。
―写生旅行に行かれるのですね。
国内外を問わず、観光地でないところを選んで行ってきた。そこではデッサンのみをして帰り、そのときの感動をどのように表現するか、構図を考え作品に仕上げる。その旅行で描きつづけたスケッチブックも千冊にもおよび、積み重ねると高さが162センチにもなった。
―現在、創作中の作品はどのようなものですか。
「晩秋」3部作の3作目に取り組んでいる。1作目は光風会に出品。2作目が昨秋に日展に入選した。現在のものは、3月の光風会展に出そうと考えている。
―今年の抱負は。
「白」の世界を追って雪景色を描いてみたい。滋賀県の余吾(よご)湖畔の風景を絵にするために、すでに7回の写生旅行をした。自分で絵を描きつづけることで、後進を育て、情操教育がいかに大切であるか伝えていきたい。
第83回光風会展(97年)「繕ろう」因島南中学に寄贈されている。
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