亀井さん刺客振り払い面目果す 常識をくつがえしたホリエモン 埋没感ぬぐえぬ民主・佐藤陣営

亀井静香 堀江貴文 佐藤公治 伊藤洋二
亀井静香68国・新 堀江貴文32無・新 佐藤公治46民・前 伊藤洋二27無・新
【当選】11万0979票
(前回11万6722)
8万4433票 6万8365票
(前回10万0524)
3433票
党県6区支部長▽自民党政調会長▽庄原市▽東京大経済学部 ライブドア社長▽福岡県▽東京大文学部中退 党県代表、党県6区総支部長▽尾道市▽慶応大法学部 無職▽堂島関東証券ディーリング部勤務▽福山市▽早稲田大商学部

よもや、と思われた郵政解散「小泉劇場型選挙戦」。郵政造反組への対立候補「落下傘・刺客」の擁立。自民党中央と地方県連のねじれ―。それも終わってみれば、あっという間に駆け抜けた。その象徴として全国が注目した広島6区は、国民新党前職の亀井静香さんが、連続10度目の勝利を飾った。大フィーバーを巻き起こした無所属新人の堀江貴文さん(32)と民主前職の佐藤公治さん(46)の追いあげを振り切って議席を守った。自民党を離党した亀井さんは逆風下の戦いを強いられたが、その危機をバネに初心にかえって汗と涙の背水の陣。沿岸部の劣勢を県北のリードで守り抜いた。

旧来のローラー作戦を展開する亀井、佐藤陣営に対し、堀江さんは知名度を生かした戦術を繰り返した。終盤、自民、公明両党の支持の流れを汲み取り激しく追い上げた。しかし、強固な県北の亀井地盤を切り崩せず、あと一歩及ばなかった。「善戦では意味がない。勝たなければ―。次の選挙も広島6区に戻ってやりたい。」と言いながらも「4年後は亀井さんが引退されているかも知れない」と、意味ありげに小声でつぶやいた。立候補表明から投票日までわずか3週間。マスコミクルーの密着取材。行く先々でサインや撮影をねだられホリエモン旋風を巻き起こした。得票数も一般予想を裏切って大量獲得。なにもかも一般常識をくつがえし、旧来の組織拡大、積み上げ選挙を繰り返してきた老兵は少なからずショックを受けた。

佐藤さんは善戦むなしく4度目の挑戦もかなわず尾道のホテルで、支持者らに敗北宣言。年金問題など地道に訴えたが、亀井、堀江との参戦をかわし土俵に上がらないで独自の選挙戦術を展開したが埋没感をぬぐえなかった。

沿岸部で唯一、亀井票のトップをキープした因島。投票率も79.82%で1万8822人が投票した。2年前の前回より10%アップ。これもホリエモン効果と市選管は分析する。期日前(不在)投票も2468人で最高記録。因島関係分の開票結果は亀井7851▽堀江5492▽佐藤4997▽伊藤洋二238票だった。

ダルマの目を入れる亀井真希子さん(因島市田熊町事務所)

傍目八目

これまでの政治ルールや手法では考えられない選挙作戦を次々と繰り出した「小泉劇場」。是非はともかく郵政民営化以外は頭にないように映った。野党は正攻法で、国民生活を安定する年金、少子化、経済、教育問題を掲げ「政権選択」を前面に据えて臨んだ。

全国の注目を集めた広島6区に象徴されたように、小泉純一郎首相は郵政民営化法案に反対した盟友(同志)だった亀井静香への対立候補に地元にゆかりのない落下傘候補ホリエモンを擁立した。造反組に対し常識にこだわらない一念など「一事を必ず成さむと思はば、他の事の破るるをもいむべからず」(徒然草)と理解できぬこともない。だが、自民党内の亀裂や中央と地方のねじれなど、これまでにない選挙光景が見られた。

民営化、是か非かのワンフレーズ。ともから小泉首相は大勝した。この国のゆくえはどこに行くのか「謎(なぞ)」だらけの今回の衆院選挙。「改革」という言葉にマインド・コントロールされているのであれば長く続くはずがない。

(村上幹郎)

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