碁聖・本因坊秀策無敗伝説「その時歴史が動いた」NHK総合7月5日(水)午後10時~43分

掲載号 06年06月24日号

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shusakuzushozoga.jpg 本紙せとうちタイムズが取材協力、5月6日NHKBS2で放送した「伝説の碁打ち・本因坊秀策」を再編集した映像をもとに7月5日(水)午後10時から43分の「その時歴史が動いた、勝負師は志高く」番組キャスター松平定知アナウンサー、スタジオゲスト木村幸比古霊山歴史館学芸課長が放送される。

 再放送は7月10日(月)17時15~58BS2▽11日16時05~48総合▽14日0時~43総合近畿ブロック▽同日01時10~53総合近畿を除く。

秀策流の品格に迫る幕末の碁界

 幕末の動乱期、江戸城で空前の記録が生まれようとしていた。年に一度、将軍の主催で開かれる碁打ちたちの祭典「御城碁(徳川将軍観戦の御前対局)」で本因坊跡目秀策という若い碁打ちが、空前絶後十九連勝という無敗記録を成し遂げた。

 秀策は、尾道市因島外浦町生まれ。9歳で日本最高の官賜碁所「本因坊家」に入門。家元で受けた教育は修行を通して、ただ強くなるだけではなく、人としての品格をも植え付ける人間形成だった。

 そうして技と心を磨きげた秀策は「秀策流」という独自の布石を編み出し、追い込まれたライバル家との戦いでは、精神力の強さを発揮して大逆転を演じた。

家元時代から大衆文化へ―

松平定知アナウンサー 江戸時代の碁・茶道・華道など芸事の世界では技と心を磨く修業が盛んだった。御城碁で前人未到の無敗記録を打ち立てた秀策は「家元時代」の最後の輝きとして史上に名を残した。

 幕末という世情混乱により秀策の死の年から御城碁は中止され、家元が担ってきた囲碁文化は「大衆文化」に変貌していった。

 こうした背景のなかで、日本が長い間、世界一の囲碁大国の座を堅持していたのは「家元」の時代に築き上げた高度な技術力と精神力の賜物ともいえる。

 番組では、人格的にも実力的にも最高の碁打ちとされる秀策の戦いを描きながら江戸時代の「家元制度」の中での修業が日本人の精神性の形成に果した役割を読み解くとともに、現代がくみとるべき教訓に迫る。「その時歴史が動いた」―松平定知アナウンサーの語りに耳を傾けたい。

(村上幹郎)

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