遠くより帰る娘を待ちいそいそと手許あやうく魚を捌く

掲載号 04年09月18日号

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安川 二三子

 夏の帰省客である娘さんを迎える喜びの気持を素直に現した歌である。遠いと言うからには、関東以北を指しているのかも、東京や神奈川県にはこの地方からも多く出て行き居を構えている。

 もう何日したら娘が帰るんだ、何をしてもてなしてやろうか、あれこれと想像をめぐらしながら迷っては見たが、魚料理に決めたのである。しかも瀬戸内の海でとれたてのピチピチはねるのが良い。この歌にはどんな種類の魚とも言ってはないが「手許あやうく」というところから見ても、そんなに大きな魚ではなさそうだ。鯛、キス、ギザミ、アコウ、アジなどが上げられるが、素人の場合は魚を捌くと言っても、骨、皮、身、臓腑、うろこをどのように分けるかだけなのである。刺身、焼き魚、煮付、吸物と海の幸をふんだんに使って、これに野菜を少々添えれば大ご馳走である。

(執筆者・池田友幸

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