春の木の花二種【1】

記録的な暖冬で、早くからダンコウバイの花(昨春の記事で紹介しています。こちらからごらんください。)が咲きましたが、ここに来て冬の寒さに逆戻り、春が少し足踏みした感じです。今回は、野山で咲き始めた春の木の花を二つ紹介しましょう。


ナガバモミジイチゴ

ナガバモミジイチゴ

木イチゴの中では比較的早く花が咲く種類で、人の背の高さぐらいの低い木の細枝に、白い花を下向きに5-6個連ねて咲かせます。果実は6月-7月に橙黄色に熟して食べられます。因島では、野山の至る所で見ることの出来るイチゴです。
葉がモミジのように3-5分裂し中央の裂片が長いことから、この名前がついています。中部地方から西に分布する種類で、中部地方以東に分布する「モミジイチゴ」と住み分けています。
サルトリイバラ

サルトリイバラ

枝に刺があるつる性の低木で、これが繁茂しているところではサルも身動きがとれなくなる、とのことからつけられた名前です。私も以前このイバラに足を取られて、抜け出すのに難儀をした思い出があります。
3月末から4月にかけて写真のような小さな目立たない花が咲きます。雌雄異株で、秋には雌株に直径7-9mmの実が朱色に熟し、サンキライとして生け花やリ-スの材料に利用されます。また西日本では大きな厚い葉を、団子やお餅を包むのに用いています。

筆者紹介

駄賀恒男
駄賀恒男森林インストラクター
因島の自然を紹介していきます。紹介するのは、森林インストラクターで尾道市因島重井町在住の駄賀恒男(だがつねお)です。

定年退職して因島に移住し、2001年3月から月1回「いんのしま・まるごと自然観察会」を開催しています。その間因島に住むいろいろな動物・植物・キノコを見てきましたが、その中から季節ごとの、とっておきの生き物情報をお届けします。

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