芸術家 瀬島匠さん

因島は造形の原動力、テーマの宝庫です。

瀬島匠さん

2006年11月に古里である因島で作品展を開かれた芸術家の瀬島匠せじまたくみさん(因島田熊町出身)。 造形の原点と語られる因島への想いをじっくり聞いてきました。

文・大西好樹

久しぶりの古里因島ですか。

1年に3回から4回は因島に帰ります。つい最近ではこの夏に帰り、ランニングパンツを穿いて原付に乗って島中を走り回りました。いろんな表情を魅せる海岸をめぐる楽しい時間を過ごしました。夕暮れの大浜しまなみビーチでは、まるでプライベートビーチのように静かな時間を過ごしました。(笑)

因島では新造船の進水式が20年ぶりにありましたね。

進水式は昔を回想するだけのものだと思っていたら再会できた。大きな鉄の塊が動き出し海に滑り落ちていく光景は、美術館や博物館では体験できない驚きです。東京の羽田空港でジャンボジェット機を見に行ったことがありますが、船の迫力にはかないません。

船体やスクリュープロペラなど船をテーマにした作品が多いようですが。

子どもの頃から華やかでありませんが、造船所での船づくりを暮らしや普段の営みのなかで感じ、自己否定や思い悩むこともなく、思うままに表現しています。作品の肌合いも大切にしています。200号の画面いっぱいに船と立方体を描いた作品は要塞にも船にも見えますが、観る方によって自由に連想してもらってほしい。荒波に抗う船をテーマにした作品も、波風が高くいいことがないように見えますが、その先に何があるのか、雲間からもれる太陽の光を想像すると、この波風の見方も変わってきます。凪(なぎ)は逆に海が荒れる前触れとして船乗りは恐れるといいます。

 

最新作は安全靴というタイトルですね。 

娘と一緒に因島に帰ってきて、今度はどのような船を描こうかと考えていましたが、黒い塊を描きたかった。造船工場を外からいろんな角度から眺めていると、完成間近な大きな船がありました。しかし、あまりに決まりすぎていて、絵葉書のようで面白みが少ないと感じました。安全靴は造船工場で働く人の必需品であり、私が創作する場合の作業靴でもあります。大地に足をつけ造船マンの安全を支える安全靴。次の題材はこれだと感じました。

 
展示会場でも安全靴を履いて絵を解説してくれました。

1994年から2001年まではフランスに滞在されていましたね。

最初はパリに住んでいましたが、因島生まれの私にとって、セーヌ川は海に親しんでいた自分にとって小さすぎ、都会の生活はどうも息苦しく落ち着かなかった。そんなこともあり、パリから車で150キロのノルマンディーに引っ越しました。ノルマンディーはいつも曇っていましたが、あったかくて気持ちのいい場所でした。


フランス時代の作品

その後は因島に戻ってこられたのですか。

パリから帰って3年間は因島で暮らしました。今は東京に住み仕事場がありますが、創作のインスピレーション、想像の源は因島です。工場地帯でないとインスピレーションがわかない。(笑)東京やパリなど大きい場所へ行けばいくほど、地域色をだすことで多くの方々に喜ばれます。自分のオリジン(出自)が大切だといつも感じています。

東京では大学生を相手に教えているのですか。

船のような力強い形(塊)をテーマに、大学生には立方体を画面いっぱいに描けという課題を与えています。大きく、重量感のあるものを創るよう指導しています。

瀬島さんにとっての因島とは。

因島は造船、柑橘畑、東海岸の断崖や絶壁など、いろんな表情を持つ島です。決してきばったおもてなしはできませんが、さりげなく温かい気持ちにさせてくれる。自然体なのでしょうね。

瀬島さんにとって創作とは何でしょうか。

継続、走り続けることが重要だと感じています。究極の理想はとどまることなく、創り続けること。考えて動けなくなるより、まず動き実行に移すことが大切だと思います。繰り返しなりますが、私にとって因島は造形の原動力であり、テーマの宝庫です。


奥様と一緒に

筆者紹介

大西好樹
大西好樹PRプランナー
芸術は爆発だ!の岡本太郎氏制作の「太陽の塔」がある大阪府吹田市生まれ。

関西学院大学卒業後、東京のPR会社で国内、海外の企業や団体やサッカー、テニスなどスポーツイベントのPR活動を担当。

2002年11月から妻の古里である因島に活動の拠点を移し、デジタル画像処理会社や家具メーカーの広報活動を支援し、現在は造船、海運を中核とする企業グループに在籍。

因島の読み聞かせグループに参加し、小学校などで好きな絵本を子どもに語っているおっさんです。

4 thoughts on “芸術家 瀬島匠さん

  1. しのぶ より:

    私は、たっくん”こと瀬島君の小学校、中学校の同級生です。二年前の因島での初めての個展、御祝がてら観に行かさせてもらいました。私は絵心はありませんが、同じ島に生まれ同じ時を過ごしただけに、瀬戸の海の暖かさとか懐かしさは分かる様に思います。私は女なので、船の事は分かりませんが、たっくんの温かくて、やさしい人柄が 絵に出てる様に思います!これからも、応援していきたいと思います!

  2. 安達 朋子 より:

    瀬島さん、あきこさん、お久しぶり!ともこです。
    たまたま知り合ったメイコさんというデザイナーさん(武蔵美の人)にこのサイトを教えてもらいました。あら、瀬島さん、どうしたの?、スーツなんて着ちゃって!やだ?、今や巨匠?なんて思ってたら、わー安全靴!
    爆笑しちゃいました。・・・つい瀬島さん宛てに書いてしまいましたが、私はパリ時代の友人です。モンマルトルでの個展以来、瀬島さんの作品を写真だけですが家に飾っていたら、いつの間にかファンに・・・って言うか、安全靴の次は何だろう?って楽しみです。これからも頑張って下さいね。来年は東京に行きますからまたよろしく!

  3. 駒田  孝 より:

    瀬島先生、奥様今日は!
    パソコンをいじっていてこちらに出会いました。
    実は、来月三女の義兄(読売テレビ勤務)が長尾淘汰先生の娘さんと結婚する事になり急に身の回りが芸術づいて来ました。
    私は芸術音痴ですが少しは勉強しなければと反省しきりなこの頃です。もし瀬島先生の個展が名古屋で開かれる機会がありましたらご案内下さい。遅ればせながら少しでも勉強しなければと思っていますのでよろしくお願いします。

  4. 駒田  孝 より:

    瀬島先生、奥様今日は!
    パソコンをいじっていてこちらに出会いました。
    実は、来月三女の義兄(読売テレビ勤務)が長尾淘汰先生の娘さんと結婚する事になり急に身の回りが芸術づいて来ました。
    私は芸術音痴ですが少しは勉強しなければと反省しきりなこの頃です。もし瀬島先生の個展が名古屋で開かれる機会がありましたらご案内下さい。遅ればせながら少しでも勉強しなければと思っていますのでよろしくお願いします。

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