夏から秋にかけての花二種
まだ当分厳しい残暑が続きそうですが、野山ではヒヨドリバナやヤブラン・キツネノマゴが咲き、秋の気配が感じられます。今回は夏の終わりから初秋にかけて、日なたと日陰に咲く花を一種ずつ紹介しましょう。
センニンソウ(仙人草)
夏の終わりに野山を歩くと、一番よく目立つ花です。陽の当たる場所で、白い十字の細長い萼片が周囲の緑を覆い隠すように一面に広がって咲いてます。花弁のように見えるのは実は萼片で、花弁はありません。
花の後、雌しべの花柱が3cm程に伸びてそこに白い長い毛が生えます。この様子を、仙人の髭や白髪にたとえて名前がついたようです。
尚この植物は有毒で山菜として食べることは出来ません。よく庭に植えられる「クレマチス」や「テッセン」は同じ仲間です。
キツネノカミソリ(狐の剃刀)
この季節に強い直射日光を避けて林の中の少し薄暗い山道に入ると、この植物が咲いているのに出会います。濃いオレンジの花の色が鮮やかで、遠くからでもすぐ目に留まります。
この植物の名前は葉の形から付いたようですが、花の頃には葉は枯れていて見ることが出来ません。葉は早春に地下のラッキョウのような鱗茎から伸び出し、夏になると枯れてしまいます。
帝釈峡に行くと、雄しべが花弁よりも長くて花からはみ出して見える「オオキツネノカミソリ」があります。秋の「ヒガンバナ」も同じ仲間で花の頃に葉はありません。
筆者紹介

- 森林インストラクター
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因島の自然を紹介していきます。紹介するのは、森林インストラクターで尾道市因島重井町在住の駄賀恒男(だがつねお)です。
定年退職して因島に移住し、2001年3月から月1回「いんのしま・まるごと自然観察会」を開催しています。その間因島に住むいろいろな動物・植物・キノコを見てきましたが、その中から季節ごとの、とっておきの生き物情報をお届けします。
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先日、奥山林道でセンニンソウの花がたくさん咲いているのを
見ました。
とっても可憐で、生き生きしていました。
夏も終わりの花なんですね!
自然観察会ではお世話になっています。今日奥山林道に出かけてみました 本当に仙人草きれいに咲いていました。椋浦ガ見え始めた所で松の大きな倒木があってそこから又ユーターンしました。全通出来なくて残念!!