夜店にてもらう夫生れし日の新聞・戦争一色の昭和十九年

掲載号 05年10月01日号

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高田市子

 今年は、戦後60年という還暦年であって、新聞・テレビをはじめ諸団体においても記念行事やそれにかかわるイベントが行われている。NHKのBSでも昭和20年ということで、有名無名の知識人たちの日記・随筆が紹介されたり、体験談が放映されている。

 前掲の短歌には、結句に昭和19年とあるから、今から61年前の新聞を夜店でもらったということで、その日付けが、偶然にも私の夫の生年月日と同じであった。夜店と歌の初めにはあるが、本当に偶然か、新聞週間の60年のイベントか何かでこちらの希望の年月日のものをコピーしてもらったのだろうか。夫は生まれたての赤ん坊、私は20年生まれだからまだこの世に居ない。家に持ち帰り夫婦が額をつき合わせて読み耽ったことだろう。命がけの時代だね、食べ物もおしゃれも「欲しがりません、勝つまでは」の標語が眼裏(まなうら)に浮かんで来る。ちなみに、昭和19年という年に何が起っていたか日本人は何をしていたかを調べてみたい。

1月 ドイツの学者によって原爆の存在(実用化はアメリカにおいて)証明
2月 クエゼリン・ルオット島玉砕、将兵4,500人
4月 酒の配給制、月二合、特攻兵器である人間魚雷「回天」の実現
5月 アメリカ政府、戦後日本占領に天皇の利用検討
6月 サイパン島玉砕、守備隊3万住民1万人死亡
7月 学童疎開小学3~6年グアム島玉砕1万8,000人
8月 竹槍訓練、閣議決定
10月 レイテ沖海戦、戦艦武蔵の沈没。神風特別攻撃隊の突入、戦死者3,724名。飛行機2,891機
(毎日新聞社刊・昭和史)

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