亀井氏「郵政以外は是々非々」6区の主役になったホリエモン 地滑りした民主佐藤氏の浮動票

掲載号 05年09月17日号

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 前回、亀井静香氏を相手に1万7千票差まで追い詰めて善戦した民主党の佐藤公治氏は、小泉劇場の刺客として亀井退治に送り込まれたホリエモンに南部の民主浮動票を食い荒らされた。比例復活もならず「ただの人」になったが、46歳の若さ。民主党の旗手として捲土重来(けんどじゅうらい)を支持者は期待している。

 12日投票日の昼下がり。沿岸島しょ部の各選対事務所を訪れた亀井氏は激戦を勝ち抜いた自信のほどが伺えた。「こんなことが、あっていいものかね」と、小泉首相のやり方に疑問を投げかける。時の首相が「官から民へ」と演説すれば、国民は「なるほどそうか」と思う。ワンフレーズであっても首相の権力は強く、これが民主主義であるのか。独裁的制度に議論を深める必要があると、後援会幹部に問いかけた。

 この夜、上京。10回目の当選を確認したのは東京・平河町の国民新党本部だった。地元6区では、奎子夫人をはじめ長女亜希子さん、二女真希子さんや秘書が分散して鳥取県より広いといわれる6区選挙区の支持者へのねぎらいと感謝のお礼回り。ことし20歳になって選挙応援にかり出された真希子さんは、因島後援会事務所で父が目を入れたダルマの片方に「点睛」。支持者と祝盃をあげた=写真=。


刺客に一喜一憂

小選挙区(6区)市町別得票
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比例代表(6区)得票と投票率
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  参院否決、衆院解散という、よもやという政治手法で国民投票に近い形の選挙を考え、演出した小泉劇場選挙の幕開け。郵政民営化法案改革選挙を前面に掲げ、党内の「人情」を無視して非情さを貫いた。かつての盟友、元自民党政調会長亀井選挙区への刺客選びに時間をかけた。

 最初に噂されたのは竹中平蔵郵政民営化担当相。亀井陣営は「相手にとって不足はない。完ぷなきまでやっつけてやる」と、いきり立った。その話が消えると因島出身女優の東ちづるさん。「美女と野獣の戦いではあるまいし」と一笑。最後の切り札は、全国注目の6区を志願したライブドアの堀江貴文さん。それも自民党公認でなく無所属だった。

 しかし、出陣式には内閣の顔である竹中郵政民営化担当相が尾道に駆けつけ、駅前でマイクをにぎり大群衆の前で無所属候補にエールをおくった。選挙期間中、武部勤自民党幹事長が応援に駆けつけ「亀井先生は未来が見えなくなっている。自民、公明の皆さん堀江君に力を」と呼びかけた。

同根県議頭隠して

 もともと、自民王国の6区は亀井自民党県議集団。県連会長は静香氏の実兄亀井郁夫参議院。国民新党結成前に県連は自民党推薦に静香氏の名を連ねていた。新党結成で亀井支持県議集団は表面に出ての応援をひかえ目にしたものの陰になったり表に出たりの亀井応援。「地方あっての自民党」と、レッドカードを注意しながら強気の姿勢で挑んだ。

次号に続く

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